2013年2月19日火曜日

スキーブーツR&Dで作ったブーツの特徴 その6

「私の思うR&Dで作ったブーツの特徴などを書いてみようかと思います」の続き。
今回は作る話の続き。の続き。

前回は、R&Dの山本さんと会話して出てくる「ブーツの機能」について書きましたので、今回はこれをふまえてブーツ選びの話を。



■カウセリング用の服装
実際にカウンセリングに行くのであれば、服装にも気をつけてみましょう。もちろんおしゃれして行けというのではなくて、足を見てもらうのに適した服装をしていきましょう、という話です。
膝を含めて足の動きを見てもらえるので、太ももや腰までよく見える服装がいいと思います。私は自転車のレーサーパンツはいて行ったりします。スカートなんかはお互いやりにくいのでさけた方がいいでしょう。靴下は特に指定はないですが、私は実際に履くものを持っていっています。

■計測
まずは足の縦の長さと横の幅をラングのゲージを使ってはかります。
普通に立った時と体重をのせた時とかを測ったり、膝を前後に動かした時の足のサイズの変化を見たりされているようです。

写真は全く関係ない別の店舗にあったもの。
同形のゲージを使っていました。

次に裸足で立った時の体のバランスを見ていたと思います。
姿勢の癖とかを見ているようです。目線とか姿勢とかいろいろ細かい指示が出るので言う通りに動きます。
その後、足をわしづかみにして手のひらでボリューム感をチェックしてました。

最後にアムフィット(インソール)の計測を行います。アムフィットは足裏の形状をデジタル計測し、その計測した3次元データに基づいてウレタン(?)ブロックからインソールを削りだしで作るという少し変わった作り方をするインソールです。
足裏を写し取るという意味においてはシダスなどと差違はなく、 後工程との親和性でこれがいいんだそうです。
ここで作るインソールの控えめなカーブの出来の良さを感じたことはありますが、アムフィットだからよいとか悪いとかは感じたことはありません。なので、無理に変えずにR&D標準のアムフィットを使っています。

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最初にブーツを作ったときは、 
「今までシダスでしか作ったことないので、シダスを選べますか?」 
という質問もしました。このときは高い金額で後悔したくなったので、聞きたいこと、思いついたことは何でも聞いてます。
 その時の回答はたしか
「シダスの最大の特徴はインソールがたわむことです。あのフレックスが気に入っているというのであれば、シダスを積極的に選ぶ理由になります。慣れ以外にシダス固有の機能に対する要望があればシダスを選ぶ意味があります」
というものでした。
そんな高度な要望はなくてただ単に慣れだけだったので、結局アムフィットで作ってもらいました。
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足の形を鉛筆でなぞったり、スタンプしたり、石工で型をとったり、コピー機を使ったりはしません。たぶん、インソールに使っているアムフィットで得られるデータを流用しているので、不要なんだと思われます。
ここで特徴的になのは、計測自体はアナログというか、職人技な感じなところです。
アムフィットの計測は、足裏をデジタルに計測していますが、それ以外は案外普通。
足という複雑な立体形状をどうとらえるのかと思っていましたが、最後は手のひらですからね。

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でも、よく考えるとデジタル計測が混ざっているのはすごい不思議な話です。
デジタルで足裏を計測して、足に合う形はわかったとしても、インソールの形自体はブーツに合わせる必要があり、そこは各メーカー、各サイズのブーツの内側の形状のデータがなければ、結局はデジタルの世界だけでは完結できません。このあたりをどうやっているのかは私は知りませんが、できあがりはすごい精度でできあがります。blogに書いたことがありますが、Ultra Carving Lightでは厚くてきついけど X-Race Extra-lightならぴったりとか。不思議なぐらいの精度で一発で合わせてきます。
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ブーツ選び終わった後の作業になりますが、計測という意味では、インナーにマジックでマーキングしてシェルに転写するというどこのショップでもやる作業もします。
ただし、マーキングの箇所、広さなどは、今までに他店でやってもらったものとは全然違ってびっくりしました。

まず、今まで痛くなったことがあるところは漏れずにマーキングされました。
さらに、今まで痛くなったことがない場所でもマーキングが入りました。(この話は受け取ったときの話で書こうと思います)

もうシェルに触る前の段階でだいぶ今までの様子と違うと言うことを初回では感じました。


長くなってしまったので計測編でいったん切ります。

2 件のコメント:

KNJ さんのコメント...

インソールに関しては、シダスに限らず、熱成形ものは現物合わせ(実際に足を乗せて成形する)なので、計測値からの修正がやりやすいのが、アムフィットだということらしいですね。

足型計測やボリューム計測が、測定器をあまり使わずにアナログなのに対して、シェル成形の工程が意外と数値制御らしいというのは、受け取る時の話にする?

kz さんのコメント...

シダスで言うところのポスティング(ブロック加工)なんかの手間も一度に解決しそうですしね。
シダスのポスティングなんてのはどうやっても論理的には平面が出せないはずなので、職人芸に頼るのか、それとも、そんなシビアなことは関係ないと割り切って考える(そんなのあり?)のか、頭の中でぐるぐる回ってしまいます。その点、アムフィットや石膏で型を取るタイプのインソールだと理屈的には納得しやすいところも私は好きです。

加工結果の話は、受け取る時にまとめて書く予定です。
シェル出し部分をCAMでやっているらしいって話ですよね。私、この話直接聞いたことないんですよ。書くとしたらKNJさんからの伝聞ということで。


某MLに参加した日(1998年)からのアーカイブが自宅で発掘されました。