2014年5月12日月曜日

スラロームの基礎を考える イメトレ編 その5 「自分の滑り」を見る

イメトレの話の続きで、見るべき素材として分類した3種類「ワールドカップレーサーの滑り」「自分の滑り」そして「自分と比較できる身近なエキスパートの滑り」のうち、「自分の滑り」について書いて行きます。

「ワールドカップレーサーの滑り」をお手本にして、自分の滑りを比較し、出来ている部分と出来ていない部分をより分け、出来ていないところを直していけば手っ取り早く上手くなれます。要はFit&Gap分析をして対策を練るわけです。

ということで、まずは自分を知るために「自分の滑り」をビデオに収めて下さい。
そして、初めて撮影してもらったビデオを見るときは、心の準備もして下さい。
見慣れているのはYoutubeや雑誌のDVDに写っているデモぐらいだと思いますが、そういう人は往々にして、
「少しは落ちるけど、自分もそれぐらい滑れるんじゃないか」
と勝手に思い込んだりしがちです。
なので、初めて撮影してもらった自分を動画でみると、スラムダンクの花道なみに、
 「これは自分ではない」
と本気で思うはず。
でも、ビデオカメラは残酷なまでに客観的な事実を記録してくれる機械であり、これが現実です。
安西先生の
「下手糞の上級者への道のりは己が下手さを知りて一歩目」
という台詞をかみしめて立ち向かいましょう。

ただ、ビデオに撮影されることに慣れていないと、撮影される緊張でいろいろ失敗します。この失敗をしている内は「自分はもっとうまいはず」という現実逃避もしがちです。なので、たくさん撮ってもらってビデオ撮影自体に慣れてしまいましょう。

また、せっかく撮ってもらうのですから、ビデオを撮ってもらうときには明確に一つのテーマを持って滑ることが失敗ビデオを避けるコツです。

たとえば、
・ミドルターンで、ターン弧一定でずっと滑る。
・4ターン深回り、4ターン浅回りの繰り返し。
・前傾に深くとる。
・ウェーブにあわせてラインをとる
・ウェーブを無視してラインをとる
・ストックをしっかりつく
などなど。

こうすると、ビデオを見たときに、ああすればよかったこうすればよかったというものは格段に減ります。
さらに、自分が何をやりたくて滑ったのかがわかった方が、ビデオを見てフィードバックされる情報量も増えます(手を上げて滑ったつもりだけどこんなに低いんだ、とか)し、ワンパターンに滑っているよりもこれはうまくいく、これはダメだ、といろんなバリエーションでの状態がわかります。

また、イメトレしたビデオと比較したいので、自分がお手本にしたビデオと同じような斜面で同じようなターン弧で同じようなテーマで滑った方がわかりやすいですね。

ただ撮っただけでも効果のあるビデオですが、ちょっと工夫するとさらに効果が上がります。

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