2015年3月17日火曜日

ATOMIC 130か150か?ブーツテストした! ③ メモリーフィットの実力はどの程度か

3つめの観点、
「③ メモリーフィットの実力はどの程度か」
です。

ここもさくさくと書いていきます。


うちの娘と会社の後輩で調子のよかったメモリーフィットだったので結構期待しました。
ところが、私が使った範囲では解決されないことが多すぎで、しかも、仕組み上、どうしようも無いことばかり。
ここは残念な結果になりました。


どのレベルを要求するのかにもよりますが、少なくとも私の様な、
① 足型が標準から大きく外れている人
② ジオメトリ(足の中のX軸、Y軸、Z軸がブーツと一致していること)にうるさいこだわっている人

までは救済してくれませんでした。

それぞれどんな話か書いていきたいと思います。

① 足型が標準から大きく外れている人

私の足はいろいろ面倒なことが起きており、特に舟状骨への対処が最大の課題です。

赤いところの出っ張りに加え、水色の部分の広い出っ張りも対処が必要

小指の付け根も、そこからかかとにかけてのラインもケアが必要


熱をかけてシェルを馴染ませる場合、以下2点でメモリーフィットだけでは対応できない感じです。

① ブーツの下半分ぐらいは変形できない
私の舟状骨はかなり低いところから出っ張っているので、シェルのかなり下の方から出していく必要があります。ところが、ブーツのソールに近い側はシェルがぶ厚くて、メモリーフィットの熱ごときでは自由に変形してくれません。

これはおそらくメーカーもわかっていて、あえてこのままにしているのだろうと想像しています。
というのも、ここが簡単に変形するようではブーツソールが歪んでしまい、ブーツとして壊れてしまうからです。極端なことを言えば平らなところで立たなくなるし、ビンディングにも合わなくなるかもしれません。なので、ブーツソールは頑丈に守られているのだと思われます。
ということで、この仕様というか特性は妥当だと思うのですが、そのためメモリーフィットのような仕組みだけでは私の足は救えません。

② 緩いカーブで膨らんでしまい、部分的には出せない
私の舟状骨はかなり出っ張ってはいるのですが、足の内側が全部膨らんでしまうと、足が内側に移動するだけで、結局当たってしまいます。ドーナツパッドのように突起だけに穴が空いているというか、シェルが膨らんでいてほしいです。
ところが、メモリーフィットの場合、外側から押しつける力が無いのでシェルは全体的に緩いカーブで膨らんでしまいます。そのため、全体的に内側が膨らんでしまうのだと想像しています。
バキュームフィットは外側から押してくれるそうですが、それでもおそらくダメでしょう。
リングのようなもので絞って押さえつけない限り、きついカーブは作れないと思います。

きっとパッドの張り方などにまだまだ工夫の余地はあるのだと思いますが、現時点でショップにノウハウが蓄積されていないという点もあると思います。
今回加工してもらったカンダハーさんは、たぶん、メモリーフィットもバキュームフィットもかなりの数をさばいているはずですが、そのカンダハーさんですら普通のブーツチューンに比べればまだまだノウハウの蓄積はこれからなのでしょう。

ということで、フィッティングという面では私は合格点を出せませんでした。


でも、かかとの位置がほぼ正しい位置に入り、雪上で1日滑れる程度にはなりました。
これは素直にすごいと思います。
あと、足の外側のような緩やかなカーブを合わせていくのは得意なようです。

こういう属人性を排除した仕組みができあがればいいなぁと思いつつ、ショップ側にノウハウが蓄積されていくのかどうかは難しいとも思わされるところではありました。なぜなら手作業でチューンする技術があるショップにしてみれば、この間接的でもどかしいブーツチューンに注力していくのかはなかなか難しいところだろうからです。

なかなか自動ブーツチューンの時代にはなりません。


長くなったんで、ジオメトリの話は次回で。

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